• ホーム
  • >みかんを食べるヒヨドリ…免許不要で捕獲・駆除する方法2選
     

みかんを食べるヒヨドリ…免許不要で捕獲・駆除する方法2選

公開日:2023年6月7日

最終更新日:2023年6月7日

本記事はコラムです。

  1. 敵を知る:ヒヨドリはどんな鳥?
  2. ヒヨドリによる被害
  3. ヒヨドリ対策の方法
  4. ヒヨドリ駆除におすすめの自由猟具
  5. 実は高級ジビエ!ヒヨドリを食べる

ミカンを食べるヒヨドリ

敵を知る:ヒヨドリはどんな鳥?

ヒヨドリの特徴

ヒヨドリは全長25~30cm弱になる灰色の鳥です。ぼさっと毛羽立った頭(冠羽)と、黒く尖ったくちばし、頬に茶色い部分がある点が特徴です。
「ヒーヨ、ヒーヨ」「ヒーッ、ヒーッ」と鳴き、空中をバウンドするように波型の特徴的な飛翔をします。ホバリングをすることが出来、ハチドリのように花の蜜を吸うことが出来ます。
似る鳥にイソヒヨドリがあり、特にイソヒヨドリのメスは色が灰色でよく似ています。イソヒヨドリは頬が赤茶色でない事、冠羽が無い事、尾羽が短い事などの特徴から見分けましょう。

イソヒヨドリの画像

メスのイソヒヨドリは全体的に短くスマートな雰囲気。頬の色で見分けよう。

ムクドリはくちばしと足がオレンジや黄色で、顔に白い部分があるため容易に見分けることが出来ます。

ムクドリの画像

ペンギンを思わせるずんぐりとした体形のムクドリ。クチバシの黄色が特徴だ。

また、ツグミも顔に白いラインが入り羽は褐色であることから、見分けることは簡単です。

ツグミの画像

全体的に茶色く、シュッとした印象を受ける。顔の白線で見分ける。

ヒヨドリの分布

日本列島から朝鮮半島南部の固有種であり、市街地から山林まで全国に広く分布します。比較的暖かい気候を好み、北日本の個体は冬季に関東以内の南方へ移動すると言われています。

ヒヨドリの食性

甘いものを好み、果物や花の蜜は大好物。バードフィーダーにミカンを置いておくと、食べに来たヒヨドリを観察する事ができます。
ヒヨドリにとっては果樹園の果物も貴重な食料。フルーツに穴をあけたりベリーを盗んだりしては農家さんを困らせる厄介者で、果樹に被害を出す代表的な鳥の一つです。
同じく果樹への被害で知られるムクドリは、かんきつ類に含まれるショ糖を分解する事が出来ません。かんきつ類への被害があれば、ヒヨドリの仕業である可能性が高くなります。

ヒヨドリの性質

ヒヨドリは賢く、警戒心が強い鳥です。近づく事は容易ではありません。
一方で攻撃的な一面も持ち、食欲旺盛なあまり餌場で他の鳥を蹴散らして独占することもよくあります。また、保護された個体が人の指に噛みついたという話もあり、とにかく気の強い鳥なのです。

ヒヨドリによる被害

ヒヨドリに食害されやすいもの

鳥に食害されたかんきつ類

ヒヨドリはミカンなどのかんきつ類を好んで食べる

ヒヨドリの食性から、果実全般が被害に遭いやすいようです。
特に
・ミカンなどの柑橘
・ベリー類
・花
・キャベツ
などは被害を受けやすいため、注意が必要です。

ヒヨドリによる被害の実態

全国の野生鳥による農作物被害量の図

図:全国の野生鳥による農作物被害量(令和3年度)
出典:農水省ホームページ「全国の野生鳥獣による農作物被害状況について(令和3年度)」(https://www.maff.go.jp/j/press/nousin/tyozyu/221202.html) 最終閲覧日:2023年6月6日 を加工して作成。

実は、ヒヨドリによる農作物の被害総量は鳥類ではカラスとカモに次ぐ第3位にランクインし、かんきつ類を主に大きな被害を出しています。農水省によれば、令和3年度のデータでは全国の害鳥による被害量のうち約1割(約2,100トン)がヒヨドリによるものでした。
幅広い食性と幅広い分布のため、大規模な果樹園や農場から家庭菜園やお庭で育てているお花までもが標的になり得るのです。

ヒヨドリ対策の方法

防鳥ネットで防ぐ

防鳥ネットで守られたトマト

防鳥ネットは適切な編み目で隙間なく設置されることが重要だ。

ご家庭のお庭に植えている果樹や花など、小規模であれば防鳥ネットで木を覆ってしまう手段が有効です。デメリットとして景観を損ねるという点がありますが、地面から隙間なく完全に覆う事で被害を防止することができます。
ネットの網目が大きいと隙間から入り込んでしまうため、30mm以下のマス目を選びます。糸が細いとネットを破ってしまう事もあるため、しっかりとしたものを選びましょう。
大規模の場合には設置や保守、撤収が容易ではなく、コストも20m四方で数十万円以上、施工費も入れるとそれ以上になることもあります。適切な業者に委託する事が必要になるでしょう。

音や光で追い払う

鳥よけのCD

鳥よけグッズは「慣れ」が生じると効果は薄まる

ヒヨドリは警戒心の強い鳥なので、音や光に敏感に反応して逃げます。
特に天敵であるタカ、ハヤブサなどの猛禽類の鳴き声を出すことが効果的であると言われています。また、銃声を出す機械を使うのも一つの手でしょう。
CD、鳥よけテープの反射光やレーザー光を使う事もあり、一定の効果はあるようです。しかし、ヒヨドリは賢い鳥であるため音や光に慣れて効果が薄れていきます。工夫しながら継続的に対策しなければ、効果は限定的なものになってしまうでしょう。
様々な手法を組み合わせ、「慣れ」を生じさせない事が非常に重要です。

自由猟具で駆除(捕獲)する

スリングライフルの画像

注意点は多いが、免許不要でできる最も根本的で有効な手段。

もっと根本的な方法として、ヒヨドリ自体を物理的に駆除してしまう方法があります。
ヒヨドリは狩猟鳥獣に指定されており、スリングショットやスリングライフルなどの自由猟具を使用すれば、特別な免許や許可が無くてもヒヨドリを捕獲する事が可能です。
但し、いくつかの注意点があるので必ず確認しましょう。
・狩猟期間を守る
ヒヨドリを捕獲できる期間は狩猟期間(地域により異なりますが、11月15日~翌年2月15日)に限られています。これ以外の時期では法律に違反しますので気を付けましょう。
・ヒヨドリ以外を狙わない
ヒヨドリは狩猟鳥獣に指定されていますが、間違えて非狩猟鳥獣を捕獲すると違法になります。見分けられない時には撃たないようにしましょう。
・一部地域ではヒヨドリを捕獲できない
2007年に改正された施行規則により、「東京都小笠原村、鹿児島県奄美市及び大島郡並びに沖縄県の区域」では、ヒヨドリの捕獲等が禁止されています。

出典:e-Govウェブサイト「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律施行規則」(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=414M60001000028) 最終閲覧日:2023年6月6日

ヒヨドリ駆除におすすめの自由猟具

スリングショット

スリングショットの画像

自由猟具として使う事ができるが、熟練が必要。

スリングショットは最もシンプルで手軽な自由猟具の一つです。「パチンコ」とも呼ばれ、ゴムの力で弾を飛ばします。安価で手軽に入手する事が出来ますが、威力や命中精度、射程距離には限界があります。ヒヨドリは的が小さい上に警戒心が強く、また撃たれ強いため、実際に落とすには急所を狙うためかなりの熟練が必要になります。

スリングライフル(スリングショットライフル)

スリングライフルの画像

コストさえ許せば、最強の自由猟具と言える。

スリングライフルはスリングショットライフルとも呼ばれるゴム式の狩猟銃です。スリングショットの発展形で、同様に免許や所持許可が無くても使用できます。
弾をガイドするレールと構えやすいストック、引き金(トリガー)があるため、熟練しなくても当てやすいという特徴があります。
精密射撃を可能にするスコープを搭載でき、威力や射程距離もスリングショットとは比べ物になりません。ヒヨドリを確実に落とすなら、スリングライフルは自由猟における最善の選択肢と言えるでしょう。
>スリングライフルを見てみる

実は高級ジビエ!ヒヨドリを食べる

ヒヨドリの照り焼き

ヒヨドリの照り焼き。ミカン風味の甘い脂と野趣あふれる胸肉が非常に美味。

ヒヨドリは甘味のある脂がのり、ジビエらしい風味も楽しむことができるため、実はフレンチの食材としても珍重される鳥なんです。特にミカンなどのかんきつ類を食べているヒヨドリは香りも良く、格別の味と言われています。
ただ駆除するだけでは勿体ない!ヒヨドリを駆除したら食べて有効活用してしまいましょう。