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スリングライフルとは?空気銃・猟銃との違い、種類と方式について

スリングライフルとは?空気銃・猟銃との違い、種類と方式について

スリングライフルとは、スリングショットライフルとも呼ばれる、ゴムの弾性力を利用して弾体を射出するライフル型の射撃・狩猟用具です。本ページでは、空気銃・猟銃との違い、スリングライフルの種類と方式、安全管理、用途とメリット・デメリットについて解説します。

  • 公開日:2026年6月1日

スリングライフルとは

スリングライフルとは、スリングショットライフルとも呼ばれる、ゴムの弾性力を利用して弾体を射出するライフル型の射撃・狩猟用具です。

一般的なスリングショット、いわゆるパチンコを発展させたもので、肩付けして狙いやすい銃床や、照準器、弾を保持する機構などを備えたものがあります。日本国内では、ハンティング、鳥獣対策、標的射撃などの用途で使用されています。

スリングライフル

空気銃・猟銃との違い

一般的に、狩猟で使用される猟具としては、散弾銃、ライフル銃、空気銃、エアライフルなどが知られています。これらはいずれも銃砲刀剣類所持等取締法などの規制対象となる銃であり、所持や使用には原則として許可が必要です。

一方、スリングライフルは火薬や圧縮空気・ガスを用いず、ゴムの力によって弾体を射出する点が大きな特徴です。

スリングライフルと各猟具(散弾銃・ライフル銃・空気銃)の比較

各猟具の特徴

猟具発射方式主な弾実用射程の目安弾速の目安弾の重さの傾向主な対象特徴
散弾銃火薬式散弾、スラッグ弾など約30〜100m前後約330〜460m/s小粒散弾は軽い、バックショット等は中程度、スラッグは重い鳥類、中型獣、大型獣など狩猟で広く使われる猟銃。散弾では飛翔する鳥や動きのある対象に対応しやすく、スラッグ弾では中〜大型獣にも用いられる。所持には銃砲所持許可が必要。
ライフル銃火薬式ライフル弾約100m以上約700〜1,000m/s重い主に大型獣射程が長く、威力・命中精度ともに高い猟銃。日本では所持要件が厳しく、原則として一定年数以上の猟銃所持経験などが必要。
空気銃・エアライフル空気・ガス圧式ペレット約30〜100m前後約180〜400m/s軽い小〜中型鳥獣空気やガスの圧力でペレットを発射する銃。比較的静音性が高く、小型鳥獣の狩猟に用いられる。所持には銃砲所持許可が必要。
スリングライフルゴム式鉛球、スチール球、タングステン球、クレイ弾など約20〜40m前後約60〜120m/s比較的重い主に小型鳥獣ゴムの弾性力で弾体を射出するライフル型のスリングショット。火薬や圧縮空気を使わず、近距離での小型狩猟対象への使用を前提とする。

※弾速は、銃種、弾種、装薬量、口径、銃身長、ゴムの種類、弾の重量、気温、整備状態などによって大きく変わります。上記は各猟具の違いを理解するための一般的な目安であり、特定製品の性能を示すものではありません。また、弾速が速いほど狩猟に適しているとは限りません。実際の使用では、弾速だけでなく、弾の重量、命中精度、運動エネルギー、射程、跳弾リスク、半矢のリスク、安全な射線の確保などを総合的に考える必要があります。

上記のように、スリングライフルは火薬や圧縮空気を使う猟銃・空気銃とは異なり、ゴムの力で弾体を射出する点に特徴があります。また、一般的な空気銃用ペレットに比べて重い弾体を、比較的低速で射出するため、近距離での使用を前提とした猟具といえます。

この特性により、有効射程は短くなる一方で、適切な射線管理を行えば、発射された弾体が遠方まで飛散するリスクを抑えやすいという特徴があります。

また、ゴムを都度引いて発射する構造上、連射性は高くありません。その反面、発射可能な状態かどうかを視認しやすく、使用者自身や周囲の人が状態を把握しやすいという利点もあります。

日本国内では、法定猟法以外の猟法による狩猟鳥獣の捕獲等、いわゆる自由猟が一定の条件下で認められる場合があります。スリングライフルも、対象鳥獣、猟期、区域、禁止猟法、自治体ごとの規制、土地所有者の承諾、安全管理などを満たす範囲で、近距離、主に10〜30m前後における小型の狩猟対象に使用されることがあります。

スリングライフルの種類

これまで、スリングライフルは国内外において様々なモデルが考案・開発されてきました。主に、スリングライフルは2種類に分けることができます。

オープン式とレール式のスリングライフル比較
項目①オープン式②レール式
概要スリングショット(パチンコ)にそのままフレームと機構、銃床、照準器等を取り付けた簡素なタイプオープン式の各部に加え、加速部に弾をガイドするレールを設けたタイプ
コスト比較的安い比較的高い
精度面良いが、ゴムの状態によって悪化することがある良く、安定しやすいが、レールの状態維持が必要
安全面構造上、バックショット・意図せぬ方向への射出リスクが残る構造上狙った方向にしか飛ばず、ゴムの引き状態と弾の装填状態を分離できるため安全管理がしやすい
チャージと装填基本的にはゴムを引いた状態=弾が装填された状態となるゴムのチャージと弾の装填を別々に行うことができる

レール式では弾の方向が決定されるため、バックショット(スリングショットに特有の、弾がポウチとの分離に失敗して射手側に飛んでくる現象)が構造の原理上発生しません。また、ゴムのチャージと弾の装填を別々に行うことができることから、着脱弾倉やレバー式給弾を採用したモデルもあり、安全管理が比較的行いやすいと言えます。

2種類のモデルの大きな違いはコストと安全性の2点と言えるでしょう。オープン式はパーツが少なく低コストであるため、急な鳥獣被害等に対しても導入がしやすいというメリットがあります。一方で、レール式はコストが高くなりますが、安全性が高く本格的な導入向けと言えるでしょう。

スリングライフル使用時の安全管理

スリングライフルを使用する際には、細心の注意を払って取扱う必要があります。特に以下の点は必ず守りましょう。

  • 人家・道路・車両・人の方向へ向けない
  • 射線とバックストップの確認
  • 跳弾しやすい硬い地面・石・金属を避ける
  • 携帯時は発射不能な状態にする
  • ゴムの劣化点検
  • 使用場所の確認
  • 周囲・関係者への事前説明

製品に同梱される取扱説明書や注意書きを熟読し、安全に使用しましょう。

スリングライフルが向いている用途・向いていない用途

これまで、スリングライフルの特性についてご紹介いたしました。これらの特徴から、向いている用途と向いていない用途が挙げられます。

向いている用途

  • 近距離での小型鳥獣の狩猟等
  • 銃砲を使わない鳥獣対策の選択肢
  • 静音性を重視した場面

向いていない用途

  • 遠距離射撃が必要な場面
  • 中〜大型獣への対応
  • 連続発射が必要な場面

スリングライフルを狩猟等や鳥獣対策に使用するメリット・デメリット

スリングライフルを狩猟や鳥獣対策に使用するメリットとデメリットを整理してみました。

メリット

  • 火薬や圧縮空気を使わない
  • 狩猟や鳥獣対策を始めやすい
  • 安全管理が行いやすい
  • ゴムチャージ状態をひと目で確認できる
  • 射撃音が比較的小さい

デメリット

  • 射程が短い
  • ゴムの劣化や温度変化の影響を受ける
  • 弾道が山なりになりやすい
  • 連射性が低い
  • 法律・地域ルールの確認が必要

本格的な狩猟や鳥獣対策において、遠距離で高い命中精度や威力を求める場合は、猟銃や空気銃が適しています。一方、スリングライフルは、近距離での使用を前提に、使用ハードルの低さ、安全管理、静音性などを重視する場合の選択肢となり得ます。ただし、どの猟具であっても、十分な安全管理と法令確認が必要不可欠です。使用場面によって適切に使い分け、ルール・マナーを守って安全に使用しましょう。

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