スリングライフル(スリングショットライフル)はゴムが縮む力で弾を発射するゴム銃です。特別な免許や許可を必要としないこの道具は、手の届かなかった狩猟の世界をより近づけアウトドアに新たな一面を加えることができます。
GOMRIFLE.com™ SSR-LCT-22
GOMRIFLE.com™は設計段階から狩猟用にデザインされたスリングライフルを創業からおよそ20種類開発(2023年1月時点)し、全国のハンターの元へお届けしてきました。
狩猟で使用されるスリングライフルはフィールドで過酷な環境に晒されます。運搬による衝撃、厳しい冬の寒さ、藪漕ぎ、砂塵、泥…。そのような条件下でも変わらず性能を発揮し続けることがこの道具に課せられた至上の課題でもあります。
本稿では狩猟用スリングライフルに求められる性能をまとめながら、当店製品のスペックについてご紹介します。
狩猟に必要なパワー
威力は狩猟に使用されるスリングライフルにおいて最も重要な性能の一つです。
獲物を仕留める為には重要部位を破壊するパワーが必要になるからです。そこで、「適度な口径と重さを持つ弾を十分な速度で発射する能力」が重要になります。
とはいえ、獲物に向けて発射された弾が最初に当たるのは羽や皮革です。鳥は装甲とも言える硬い羽を、獣は柔軟で強靭な毛や皮を持っています。
獲物の表層を貫通する適度な貫通力と、獲物を行動不能にする高い威力の両方が求められるのです。
重い弾を速く飛ばすためには高性能な発射ゴムが必須です。主力のTG-22シリーズは高品位ゴム素材と極厚肉仕様を採用し、圧倒的な威力を実現しています。
GOMRIFLE.com™のスリングライフルは最大で散弾銃4号弾の1粒に比べ3~4倍にあたる約30Jのエネルギーをもつ弾を発射する事ができ、実猟で確かな能力を発揮します。
よく当たり、しっかり仕留める。
高い威力や貫通力があっても、当たらなければ意味がありません。
球形弾は精度に優れていますが、同口径の円柱弾や尖鋭弾に比べ軽くなるため低威力というデメリットから逃れられません。
また、球の直径を増す大口径化を採用すると機構やフレームの大型化と重量増を招く上、弾のエネルギー密度低下、弾道の不安定化など多くのデメリットを抱えることになります。
そこで、比重の高い素材を使用することで球形弾の重さを確保する、というコンセプトの下採用されたのがタングステン球形弾です。
弾種 | 重さ |
8mmスチール球 | 約2g |
9mmスチール球形弾 | 約3g |
10mmスチール球 | 約4g |
11mmスチール球 | 約5.5g |
9mm鉛球 | 約4.3g |
9mmタングステン球形弾 | 約6.9g |
上記のように、素材と口径で弾の重さが大きく変化します。
タングステン球形弾は直径9mmでも大口径の11mmスチール球を超える重さを持ち、より高いエネルギー密度をもって効率よく獲物の体構造に衝撃を与えることができます。
「威力の必要な場面では9mmタングステン球形弾」「小さな狩猟対象には9mmスチール球形弾」のように弾を使い分け、狩猟対象を広げて多様なシチュエーションに対応する使い方もアリでしょう。
その他、当店のスリングライフル(20年式以降)は精度を高めるため球形弾に回転を掛けて安定させる構造を採用しています。
もちろん、獲物に近づくことが出来れば円柱弾や尖鋭弾などのヘビーな弾で確実に仕留める事も可能です。
過酷な運搬とフィールドユースに強い、軽く頑丈なつくり
スリングライフルは溜池や河川などの水辺から深い藪、雑木林まで、さまざまな環境をフィールドとします。
軽量・頑丈で運搬に強いのはもちろんの事、あらゆる環境で確実に作動し続けるためには砂塵・異物への耐性やトラブルへの対処が求められます。
GOMRIFLE.com™のスリングライフルは多くの部分でシンプルで分解可能な構造を取り、十分な整備性とトラブルや故障への対応力を確保しています。
また、責任をもって全てのパーツの設計図を保有し、全ての消耗部品を国内製造することでパーツの入手性を維持しています。
フレームの素材には強度に優れるスチール(鉄)またはステンレスを使用し、20年式以降のスリングライフルは中空構造フレームとソリッドフレームを組み合わせて小型・軽量ながら頑丈な構造に設計しています。
職人による正確な曲げ加工で造られるインナーレール構造は、砂塵やゴミなどを隙間に逃がして弾の加速を邪魔しないようキャッチしつつ、適切な弾道のガイドにより高い精度を実現します。
機関部と給弾機構は動作の安定性と安全性を最重要視し、それぞれ適した材質と砂塵やゴミによるトラブルが起きにくい構造設計を採用しています。
その他にも性能や信頼性を向上させる、あらゆる小さな工夫を結集しております。